2018年9月26日、本日は快晴です
太陽の日差しを受けて
2018年9月26日、本日は快晴です
太陽の日差しを受けて
このサイトでもお知らせしておりました通り、2017年7月22日に、気象衛星ひまわりシンポジウムが開催されました。
以下、その模様をお伝えします。
会場の一橋記念講堂です。
今回のシンポジウムはほぼ満席ということで、気象衛星に関する皆様のご関心の高さに驚きました。
なお、気象衛星ひまわり運用事業株式会社も、本シンポジウムを後援しています。
まず基調講演として、元JAXA理事の堀川康氏よりお話がありました。
堀川氏は40年前の初代ひまわり(GMS)から気象衛星ひまわりに携わってこられた方です。
当時、米国から宇宙開発の技術を取り入れるために並々ならぬ苦労があったことが伺えました。
GMSの開発メーカである米国のヒューズ社に駐在し、粘り強いコミュニケーションを通じて徐々に技術情報を得たことや、その内容をまとめた駐在員報告書が後にNASDAで衛星開発のバイブルとなった話など、40年前の貴重なお話を伺うことができました。
次に、気象庁観測部気象衛星課の宮本仁美課長より講演がありました。
宮本氏は、HOPEとしても日頃からお世話になっている方です。
ひまわり8号/9号のデータ量が、初代ひまわりに比べて400倍になっているお話や、ひまわりが観測した気象データは世界各国で使用されており、国際協力にもなっていることが紹介されました。
特に、 1999年の運輸多目的衛星1号(MTSAT-1)打上げ失敗に伴い、米国のNOAA(海洋大気庁)からGOES-9衛星を借りて気象観測を継続したお話では、実用衛星におけるバックアップ機の重要性を改めて実感しました。
その後のミニプレゼンとパネルディスカッションでも、多様な業界の方から興味深いお話がありました。
■井田 寛子さん(気象予報士、 TBS「あさチャン!」気象情報担当)
天気キャスターの一日の仕事の流れを解説いただきました。朝の情報番組の天気コーナーの事前準備として、午前2時に起床され、天気の実況や予報をチェックされているそうです。
ひまわり8号の運用開始に伴い、衛星から捉えた雲の動きなどが非常に滑らかになり、視聴者に分かりやすく伝えるために役に立っているとのことでした。
■三好 建正さん(理化学研究所 計算科学研究機構)
スーパーコンピュータ「京」の専門家の三好さんからは、数値シミュレーションについてお話いただきました。
天気予報の精度を向上させるためには、精度のよい観測データを「同化」させることが必要だそうです。
また、スーパーコンピュータは「タイムマシン」であり、10年後に普及する技術を使用して今研究を行っている(いわば未来を切り開いている)というお話が印象的でした。
■可知 美佐子さん(JAXA 地球観測研究センター)
高度3万6000kmの静止軌道から地球を観測する「ひまわり」と、地表に近い低軌道を周回する地球観測衛星のそれぞれの長所と短所を解説いただきました。また、世界の様々な衛星のデータを組み合わせて気象情報を提供している例として、JAXAのGSMaP(衛星全球降水マップ)を紹介いただきました。
■郷原 健さん(損害保険ジャパン日本興亜株式会社)
上述の「GSMaP」を活用し、東南アジアの農業分野向けに「天候インデックス保険」を提供することで、天候や自然災害リスクからを現地の小規模農家を守るという国際貢献の事例が紹介されました。
衛星観測には、地上観測ができない場所(海上や僻地)もリモートで観測できるというメリットがあり、まさにそれを活かした事例だと感じました。
一方、これらの衛星データをビジネス利用するにあたり、精度や信頼性をどのように評価・説明していくかが課題であるというお話が印象に残りました。
■佐々木 華織さん(農研機構 農業環境変動研究センター)
農業分野における気象データ利用に関してお話いただきました。農家の高齢化に伴い、生産性向上への取り組みがますます重要になってきているとのことです。特に、日射量は農業と深い関わりがあり、ひまわりによる予報精度向上へ期待しているとのことでした。
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気象衛星ひまわり8号・9号の運用に携わる一員として、改めて社会におけるひまわりの重要性や、そのデータ活用の幅広さを知ることができ、大変有意義なシンポジウムでした。
本日、ひまわり9号のHOPEによる運用が開始されましたので、
現場の様子をレポートさせていただきます
時刻は日本時間9:00(UTC0:00)
運用開始にあたり、現場では運用統括責任者、および気象庁PFI班さまより、
意気込みと激励の一言をいただきました
写真のはれるんのように、ひまわりは今後2029年まで静止軌道上で2機体制を維持して参ります
HOPEもこれまでと同様にこれからも、気象庁さまとともに、24時間365日衛星の安定運用に全力で
つとめて参ります
今後ともご支援のほど何卒よろしくお願いいたします
打上げ前日に、種子島宇宙センターを見学してきました。
事前の予報に反して(?)この日はとても天気がよかったです。
実物大のH-IIロケットの模型が展示されています。
ロケットの丘展望所から大崎射点の眺め。世界一美しい発射場と言われるのも納得ですね。
紅白カラーの鉄塔は多目的鉄塔と言い、避雷針と気象観測を兼ねているそうです。
大型ロケット組立棟(VAB)です。2機のロケットを同時に整備できるそうです。
宇宙センター内の宇宙科学技術館では、宇宙開発に関する様々な展示があります。
中でも目立つのが、ALOS(陸域観測技術衛星)の熱構造モデルです。
【番外編】種子島宇宙センターの食堂の爪楊枝入れです。可愛いですね。
ロケット打ち上げが1日延期になったため、HOPE一行もスケジュールの組み直しを余儀なくされました。
そこで、空き時間を利用して、種子島の酒造を見学してきました。
南種子町にある「上妻酒造」さんです(「こうづま」と読みます)。芋焼酎の「南泉」が有名で、宇宙ファンの方には、ロケット打上げ記念パッケージでお馴染みですね。
巨大なタンクの中で焼酎が製造されています。
中を覗き込むと・・・ふつふつ泡が湧いています。
焼酎用の芋を1つ1つ手作業で加工していました。種子島といえば糖度の高い「安納芋」が有名ですが、この焼酎に使用する芋は別の種類で、でんぷん質が多いため食用には適さないそうです。
店頭には、歴代のロケット打上げ記念焼酎が展示されていました。やはり「はやぶさⅡ」が一番売れたそうです。
HOPE広報部はもちろん、H-ⅡA F31 / ひまわり9号バージョンを購入しました!